香川県相談支援専門員協会・香川県精神保健福祉士協会 合同研修会報告

 

 

【日  時】  20191027日(日) 10:0012:00

【場  所】  香川県立文書館 2階 視聴覚ホール

【テ ー マ】    ともに当事者を支えるために

【講  師】  富田 克美 氏(香川県相談支援専門員協会 障害者相談支援センターりゅううん 

                石崎 秀美 氏(香川県精神保健福祉士協会 しおかぜ病院医療相談室)

 【参加者数】 45(17名:香川県精神保健福祉士協会会員)

 

 

 

●研修報告

 本来、当事者の地域での生活を目指し・支えるという目標を共に持つ相談支援専門員とPSWだが、所属機関の特性や業務内容の違い等から連携の取りづらさを感じるという現状がある。今回の合同研修では、実践報告及びグループワークを通して互いの業務や役割への理解を深め、葛藤や想いを率直に意見交換することを目的として開催された。

開会挨拶では、香川県相談支援専門員協会代表 森川氏から「PSWとの距離を感じてしまう場面がある。今回の研修を通し、つながりを持つことでその葛藤を払拭できることを期待している。」と話があった。

早速、実践報告に移り、まずは当協会より、しおかぜ病院 石崎氏による『精神科病院における福祉職』をテーマに、所属機関の紹介、PSWの院内・院外での役割、そして相談支援専門員との連携についての報告がおこなわれた。相談支援専門員との連携においては、既に障害福祉サービスを利用中で相談支援専門員が計画相談で担当としてついている場合には、入院中から退院後の課題整理のために実際に立てられているサービス等利用計画を参考にすることもあるという。また、その中でさらに必要なサービスや社会資源が見つかる場合もあり、協議をしながら退院後の生活に向けて整理をおこなっていく。

続いて、香川県相談支援専門員協会より、障害者相談支援センターりゅううん 富田氏による『障害がある方を支援するために ~個別支援→チーム支援→地域づくり~』をテーマに、相談支援専門員の役割や、富田氏自身が大切にしていること・大切にしたいこと、実際PSWと連携した事例等の報告がおこなわれた。相談支援専門員は、退院して地域で生活をする当事者にかかわる存在であり、当事者の人生のターニングポイントに影響を及ぼす可能性を持っている。そのため、当事者とかかわること自体が責任重大と感じ、正しい判断なのかと迷うこともある。だからこそ、多職種・多機関とのつながりと、様々な支援者からの意見を基に最善の方法を考える必要がある。その中で、大事にしなければならないのは、PSWとも同様で、当事者本人の想いを中心にすることである。ただし、相談支援専門員も当事者本人だけでなく、その家族等ともかかわる職種であるため、家族の想いも受けながら、時には折り合いをつけながら支援を確立していく。PSWの抱く、本人と家族等の意見の相違で悩むといった場面は、相談支援専門員にも同じく生じる葛藤である。続いて、PSWと実際連携した4事例を紹介いただき、事例を踏まえて「困ったら、あのPSWに相談してみよう!」と気軽に相談できる関係づくりと、互いに尊敬し合うことが大事だと述べられた。最後に、PSWは病院、相談支援専門員は地域をフィールドにしているという違い程度で、「当事者本人が、その人らしく、地域社会で豊かに暮らしていけるように支援する」という点では、同じ目標を持っている。相談支援専門員が、病院の敷居の高さを感じてしまうという点を、ぜひ顔の見える関係で乗り越え、共に当事者を支えていけたらとまとめられた。

後半は7つのグループにてそれぞれ2名の実践報告を受けて感じたことや、「共に支えていくためには」をテーマに意見交換をおこなった。グループワーク後には、2つのグループから発表がおこなわれ、相談支援専門員から病院に対しての敷居の高さを感じているということは序盤でも話されていたことだが、PSW側としても相談支援事業所に対する敷居の高さを感じているようなところもあるという意見があった。その中で、当事者の地域での生活の様子についての情報提供・共有等を経て、連携を図りながら顔の見える関係の構築が必要ではないかとも話し合われた。また、「困った時にはあの人に相談しよう」と思える関係の構築も必要である。

富田氏が「障がい者基幹相談支援センターの地域拠点担当として業務をおこなう中で精神障がい者とのかかわりが増えた」ということを語られた際、知的障がい者を支援する中では支援者が当事者を引っ張っていくような支援が多いが、精神障がい者とのかかわりでは『一緒に取り組む支援』が基本となっていることを感じたとのこと。相談支援専門員にも、所属する機関・事業所ごとに得意とする障害種別がある。特に身体・知的障がい者(児)への支援を得意としている事業所では、精神障がい者とのかかわりに悩む相談支援専門員もいる。そこで、私たちPSWとのつながりを活用していただくことで、地域で生活する当事者のためになるのではないだろうか。当協会も、『PSW同士の顔の見える関係』を大切にしているが、日々の業務における多職種・多機関との顔の見える関係づくりも、今後共に当事者を支えていくために大切にしたいと感じられる研修となった。

 

 

報告  松下 瑞季(地域活動支援センター クリマ)