1月定例研修会報告

 

 

 

【日  時】  2020111日(土) 14:3016:30

【場  所】  高松市ふれあい福祉センター勝賀 2階 第12会議室

【テ ー マ】   倫理に関する研修「精神保健福祉士の倫理を考える

~地域の課題に積極的に取り組む県協会 編~

【参加者数】  11

 

 

 

 

 

●研修報告

 倫理に関する研修は、当協会では年に1回、『精神保健福祉士の倫理ガイドライン~私たちはこうありたい~(以下、ガイドライン)』を用いて実施している。今回のテーマは、当協会統一テーマである「社会で活きるPSW」に沿い、ガイドラインの「地域の課題に積極的に取り組む県協会」の物語を中心に、いちPSWとして、そして県協会を担う一員として、考えを深めた。

 まずは、日本精神保健福祉士協会の倫理綱領に、今年度の当協会統一テーマや本研修のテーマにも含まれる「社会」「地域」というワードが含まれているため、倫理綱領に定められたPSWの社会へのかかわり方や在り方を全員で確認をおこなった。

その後、3つのグループに分かれ、ガイドラインの物語に沿った3つの課題についてグループワークをおこなった。物語の概要としては、Aワーカーが3年ぶりに県協会の研修会に参加し、日々の業務の中で悩んでいた地域移行についてCワーカーと意見交換をするようになった。その翌年度には、さらにテーマを絞って、高齢精神障がい者の地域移行について話し合う機会となる研修会が開催された。その後、高齢精神障がい者の地域移行について、厚生労働省がモデル事業で「高齢入院患者支援事業(以下、本事業)」が開始予定であるという情報が挙がり、県協会から県主管課へと本事業の開始に向けて協議を重ねた。(物語詳細はガイドラインp.41を参照)

上記の物語に沿って、①Aワーカーが抱えていた課題に、早期に取り組むためには、どのような方法が考えられるでしょうか? ②会員が、日常業務の中に抱える悩みや課題を寄せ合って検討しやすい環境を提供するために、県協会はどのような組織であるべきでしょうか? ③協会として、本事業の動向をどのように見守り、バックアップしていく必要があるでしょうか? の3つの課題を話し合った。

 ①の課題については、今回の物語ではたまたまAワーカーの悩みと研修会のテーマが合致して、社会を巻き込んで変化を起こすこととなったが、この偶然がなかった場合には、日々の業務の中での悩みを溜めこむのではなく、横のつながりの仲間や同所属機関の他職種等に相談することが望ましいのではないかとの意見があった。また、Aワーカーの行動力があったことで発展し、良い結果が生まれたのではないかという意見もあった。行動力はソーシャルワークにおいて必要である。かなりのエネルギーを要するが、社会を動かすためには、私たちは行動力のあるPSWでありたいものである。また、Aワーカーのように、協会活動から少し離れてしまっていても、日々悩みを抱えながら仕事をしている会員の方もいることだろう。研修会のテーマが、その時の自身の悩みと同じあるいは近しいものであれば、積極的に参加が見込めるのではないかというところから、匿名で業務での悩みを集約し、会員が抱く悩みの中からそのテーマに沿った研修会をしてみてもいいのではないか、という当協会としても今後の参考になる意見も挙がった。

 ②の課題では、PSW個人という観点というよりは、県協会の一員として、そして県協会を運営していく立場としても考えるものであった。見知った顔がいない場所に飛び込んでいくことには、勇気が必要ではないだろうか。しかし協会は、参加する会員に、協会活動に参加することへの敷居の高さを感じさせてはいけない。そのためには、疎外感を感じさせない雰囲気づくりも必要である。また、誰かが「一緒に行こう」と誘ってくれることで、参加しやすくなるといったこともある。仲間として、一緒に研鑽していけることが望ましい。

 ③の課題においては、本事業を継続していく上で、県協会から本事業の必要性を裏付けていく活動が求められる。今回の物語であれば、例えば本事業を展開してからの後追い調査を実施することで、本事業の達成度を把握し、事業継続の必要があればそのことを訴えていく。また、本事業を継続していく上でしっかりと希望を伝えていけるような、担当者との良好な関係性等も求められるのではないか、との意見が挙がった。

 最後に、当協会会長 齋中氏より、総括として、ガイドラインを作成する前身となった健全化推進委員会の話があった。先月、中四国精神保健福祉士大会 岡山大会が開催されたが、9年前の岡山大会で、当時の当協会の倫理抵触が指摘され、そこから事実調査に動き始めた。これは、問題の責任を個人に返すためではなく、問題が起こった背景分析を行うことで、二度と同じことを繰り返さないために行われたことである。調査を進める中で、当時の協会員の協会活動に対する意識の低さから、会員による無関心や役員に任せておけばいいという思いにつながり、そして当時の役員の孤立や会員と役員の意識の解離が生じていたことが明らかとなった。組織は、一人ひとりが関心を持って活動に参加することで勢いづくものである。最近では、PSWが様々なフィールドで活躍するようになり、また、これまでPSWが担ってきた業務を他職種でもできるようになってきている。そのことから、PSWのアイデンティティは変化しつつあるのではないかと危惧される。そしてそれが一人ひとりの意識の低下を引き起こすのではないかという心配もある。私たちは同じ過ちを繰り返さないためにも、意識を高め、そして共に協会を盛り上げていきたい。具体的には、まずは個人や所属機関だけの課題として抱え込むのではなく、当協会で協会全体の課題として共有し、そして取り組み、社会にも貢献していく存在でありたいものである。

 今後、当協会ホームページにて、会員が悩みを相談できる窓口を開設及び運営予定としている。ひとりで抱え込まずにまずは誰かに相談し、そしてこれから一緒に考えていきませんか?

 

 

 

報告  松下 瑞季(地域活動支援センター クリマ)